「秋田で家を建てるなら、冬でも暖かい家にしたい」
これは、秋田県で家づくりを考える多くの方が、最初に希望されることだと思います。
住宅会社のホームページを見ると、「高断熱」「高気密」「冬でも暖かい家」といった言葉が数多く並んでいます。しかし、どの会社も似たような表現を使っているため、実際にどの程度の性能を持つ住宅を建てているのか、一般の方にはなかなか判断できません。
最近では、インターネットで検索するだけでなく、AIに住宅会社を相談する方も増えています。
ただ、検索結果やAIの回答に名前が出てくる会社が、自分たちにとって本当に適した住宅会社とは限りません。知名度や広告、ホームページ上の情報量だけでなく、会社が定めている基準や、実際に建てた住宅の数値まで確認することが大切です。
また、私たちは、断熱性能や気密性能の数値だけで住宅の良し悪しが決まるとは考えていません。
地震や雪に対する安全性、少ない設備で快適に暮らせること、故障した設備を無理なく交換できること、傷んだ部分を直しながら使い続けられること、そして長期的な維持費を抑えられること。
それらを含めて、初めて「長く安心して暮らせる高性能住宅」になると考えています。
今回は、秋田県で暖かく、長く安心して暮らせる家を建てるために、住宅会社を選ぶ際に確認してほしい7つの基準をご紹介します。
1.最高性能ではなく、会社の「最低基準」を確認する
最初に確認したいのは、その会社が過去に建てた住宅の中で、最も性能が高かった一棟ではありません。
確認したいのは、その会社が普段建てている住宅の最低基準です。
住宅会社には、次のようなことを聞いてみてください。
- 断熱等級はいくつを最低基準としているか
- UA値とC値に社内基準があるか
- 一部のモデル住宅だけでなく、すべての新築住宅に適用されるか
- その性能は標準仕様なのか、追加費用が必要なのか
- 予算が合わない場合に性能を下げることがあるか
「断熱等級7にも対応できます」という説明と、「すべての住宅で断熱等級6以上を最低基準としています」という説明では、意味が異なります。
大切なのは、一棟だけの最高記録ではなく、会社としてどこまでの性能を必ず守っているかです。
SKホームでは、現在の新築住宅について、断熱等級6以上、C値0.5㎠/㎡以下、耐震等級3を最低基準としています。
大仙市などの3地域ではUA値0.28W/㎡・K以下、秋田市などの4地域でも、3地域と同じ断熱基準を最低ラインとしています。
予算を合わせるために断熱・気密・耐震性能を下げることはせず、面積や設備、仕上げなど、別の部分から全体のバランスを調整します。
2.断熱等級やUA値だけで暖かさを判断しない
UA値は、屋根、外壁、床、基礎、窓などを通して、住宅全体からどのくらい熱が逃げるかを表す数値です。
基本的には、UA値が小さいほど熱が逃げにくく、少ない暖房エネルギーで室温を保ちやすい住宅になります。断熱等級の基準となるUA値は、全国一律ではなく、建築地の地域区分によって異なります。
ただし、同じUA値の住宅であっても、実際の暖かさや住み心地が同じになるとは限りません。
室内環境には、次のような設計や施工も大きく関係します。
- 窓の大きさと配置
- 冬の日射取得
- 夏の日射遮蔽
- 建物の形
- 断熱材の種類と施工状態
- 柱や梁、基礎まわりの熱橋対策
- 吹き抜けや階段の位置
- 暖気や冷気が家全体に届く間取り
UA値を小さくすることだけを目的に窓を減らしてしまえば、冬の日差しや、窓から見える景色を失うこともあります。
反対に、大きな窓を設ける場合には、冬の日射を取り込みながら、夏の強い日差しを庇や外付けブラインドなどで遮る工夫が必要です。
数値だけを見るのではなく、その土地の日当たり、周囲の建物、景色、風向きまで考えて設計しているかを確認することが大切です。
秋田の冬を快適に過ごすためには、断熱材を厚くするだけではなく、土地の条件を読み取る設計と、確実な施工の両方が必要です。
3.C値は計算値ではなく、実際に測定した数値を確認する
断熱性能と同じくらい重要なのが、住宅の気密性能です。
気密性能はC値で表され、住宅全体にある隙間の面積を、延床面積で割った数値です。数値が小さいほど、隙間の少ない住宅になります。
UA値は設計段階で計算できますが、C値は図面上の計算だけでは分かりません。実際の建物で気密測定を行い、施工状態を確認する必要があります。
国土交通省の設計ガイドでも、C値は小さいほど気密性能が高く、気密性能は計算では求められないため、実測によって確認するものとされています。
住宅会社には、次の点を確認してください。
- 一棟ごとに気密測定をしているか
- C値の最低基準があるか
- 測定結果を施主に伝えているか
- 施工実績ごとのC値を公開しているか
- 基準を満たさなかった場合に手直しをするか
気密性能は、暖房効率を高めるためだけのものではありません。
計画した経路で換気を行うこと、壁の中に湿気が入りにくくすること、家の中の温度差を小さくすることにも関係します。
「高気密住宅です」という言葉だけではなく、実際に測定した数値があるかを確認することが大切です。
4.耐震等級3だけでなく、計算方法を確認する
どれだけ暖かい家でも、地震や積雪に対する安全性を後回しにすることはできません。
住宅会社を比較するときは、「耐震等級3です」という説明だけでなく、どのような方法で建物の安全性を確認しているのかも聞いてみてください。
特に確認したいのは、次の点です。
- 建物ごとに構造計算を行っているか
- 許容応力度計算を行っているか
- 建物の実際の重量を構造計算に反映しているか
- 建築地の積雪荷重を考慮しているか
- 大きな窓や吹き抜けを含めて安全性を検討しているか
- 基礎や接合部まで含めて計算しているか
高性能住宅では、高性能なトリプルガラス、付加断熱、太陽光発電設備などを採用することで、建物の重量が大きくなる場合があります。
また、秋田県では建築地によって積雪量が大きく異なるため、その地域に合った積雪荷重の検討も欠かせません。
断熱性能と耐震性能は、どちらか一方を優先するものではありません。
暖かさと安全性を同時に成立させることが必要です。
SKホームでは、現在の新築住宅について、一棟ごとに許容応力度計算を行い、耐震等級3を確認しています。
5.「エアコン1台」という言葉だけで判断しない
高性能住宅の説明で、「小さなエアコン1台で家全体を暖められます」という言葉を見かけることがあります。
建物の断熱・気密性能が高く、適切に設計されていれば、少ない暖房能力で家全体を暖めることは可能です。
ただし、エアコンの台数だけで住宅性能を比較することはできません。
必要な冷暖房能力や適切な空調方式は、次の条件によって変わります。
- 建物の広さと形
- 断熱・気密性能
- 窓の大きさと方角
- 外気温と日射量
- 換気による熱損失
- 間取りと吹き抜けの有無
- 家族の人数や暮らし方
- 室内で発生する熱
- 暖気や冷気を循環させる方法
大切なのは、「何台で冷暖房するか」ではなく、その住宅に必要な冷暖房負荷を計算し、家全体に暖気や冷気を届ける計画ができているかです。
リビングだけが暖かく、廊下、脱衣室、トイレ、寝室が寒い状態では、家全体が快適とはいえません。
SKホームでは、すべての住宅に同じ空調方式を当てはめるのではなく、建物の形、間取り、日射条件、暮らし方に合わせて一棟ごとに計画しています。
また、できるだけ一般に流通している壁掛けエアコンを利用し、将来故障したときにも、家電量販店などで交換しやすい構成を基本としています。
高価な専用設備に頼り切るのではなく、建物自体の性能を高め、少ない設備で快適な室内環境をつくることが基本です。
6.一棟の最高記録ではなく、複数の施工実績を見る
住宅会社の実力を判断するときは、モデルハウスや特別仕様の一棟だけでなく、複数の施工実績を確認することが大切です。
施工実績の各ページに、UA値、C値、耐震等級、構造計算の方法、長期優良住宅の認定、冷暖房方式、使用した素材などが掲載されていれば、その会社が継続してどのような住宅を建てているのかを判断しやすくなります。
SKホームでも、完成した住宅ごとに性能や主な仕上げを公開しています。
花館の家
花館の家は、住宅とガレージを一体で計画した住まいです。
UA値0.26W/㎡・K、C値0.2㎠/㎡、許容応力度計算による耐震等級3、長期優良住宅となっています。
外壁にはガルバリウム鋼板と秋田杉、床には楢と杉の無垢フローリングを使用。冷暖房には2.2kWの寒冷地エアコンを採用し、自然対流と局所ダクトを組み合わせて計画しています。
朝日町の家
朝日町の家は、大仙市の準防火地域に建つ住まいです。
UA値0.25W/㎡・K、C値0.13㎠/㎡、許容応力度計算による耐震等級3、長期優良住宅となっています。
外壁には秋田杉とガルバリウム鋼板、床には杉の無垢フローリングを使用。冷暖房は2.2kWの壁掛けエアコン1台と全館ダクトを組み合わせて計画しています。
桜の家
桜の家は、秋田市に建つ2階リビングの住まいです。
UA値0.23W/㎡・Kの断熱等級7、C値0.2㎠/㎡、許容応力度計算による耐震等級3、認定長期優良住宅となっています。
床には国産栗、北海道産セン、北海道産カラマツを使用し、造作キッチンや造作カップボードも採用しました。壁と天井はオガファーザーと天然粘土塗料を中心に仕上げています。
暖房は床下暖房方式、冷房は2階LDKに設置した壁掛けエアコンによる自然対流方式です。
潟上の家
潟上の家は、潟上市に建つ住まいです。
UA値0.21W/㎡・Kの断熱等級7、C値0.23㎠/㎡、許容応力度計算による耐震等級3、認定長期優良住宅となっています。
外壁にはガルバリウム鋼板と秋田杉、床にはオークと秋田杉、壁と天井にはオガファーザーや木質パネルを使用しています。
一棟だけの最高記録ではなく、異なる地域、広さ、間取り、冷暖房方式の住宅でも、安定して性能を確保できているかを確認することが大切です。
7.建築時の価格だけでなく、直して使い続けられるかを考える
住宅にかかる費用は、建築時に支払う金額だけではありません。
長く住み続ける間には、屋根、外壁、床、内装、冷暖房設備、換気設備、水まわりなどの点検、補修、交換が必要になります。
そのため、住宅会社を選ぶ際には、初期費用だけでなく、次の点も確認してください。
- 将来どのような補修が必要になるか
- 傷んだ部分だけを修理・交換できるか
- 設備が故障したときに一般的な製品へ交換できるか
- メーカーの製品が廃番になった後も対応できるか
- 大工や職人の手で補修できるか
- 足場を必要とする工事がどの程度想定されるか
SKホームでは、古くなったらすべてを取り替えるのではなく、手を入れながら使い続けられることを、家づくりの重要な基準としています。
窯業系外壁を採用しない理由
SKホームでは、現在の新築住宅に窯業系サイディングを採用していません。
建築時の価格だけでなく、将来の再塗装、目地シーリングの補修、足場工事などを含めた、長期的な維持費を考えているためです。
窯業系サイディングも、製品によって耐候性や必要なメンテナンス時期は異なります。ただし、メーカーも外壁表面の塗装や接合部のシーリングには経年劣化があり、状態に応じて再塗装や補修などの維持管理が必要になると説明しています。
SKホームで主に使用しているのは、ガルバリウム鋼板などの金属外壁と、秋田杉の無垢板外壁です。
もちろん、金属外壁や無垢板であっても、点検や補修が一切不要になるわけではありません。
それでも、目地シーリングや大規模な塗り替えをできるだけ減らすこと、不具合が生じた場合に部分的な交換を検討しやすいこと、年月とともに変化する素材の表情を受け入れられることを重視しています。
無垢床を標準にする理由
SKホームでは、現在の新築住宅に無垢床を標準採用し、複合フローリングは採用していません。
無垢床は、生活の中で傷やへこみが付くことがあります。
しかし、表面を補修する、削る、塗り直す、必要に応じて部分的な張り替えを検討するといった方法で、手を入れながら使い続けることができます。
新築時の均一な見た目だけではなく、10年後、20年後にどのような状態になり、どのように直せるかまで考えて選んでいます。
傷や色の変化も、家族がそこで暮らしてきた時間の一部です。
すべてを新品の状態に戻すのではなく、年月とともに味わいが増していく素材を使うことも、長く愛着を持って暮らすために大切だと考えています。
造作キッチン、造作建具、造作家具を勧める理由
キッチン、建具、収納、洗面台などについても、既製品だけでなく、造作を積極的に提案しています。
造作キッチン、造作建具、造作家具は、家の寸法や住む方の暮らし方に合わせてつくることができます。
また、不具合が出た際にも、製品全体を取り替えるのではなく、扉、天板、棚板、金物など、必要な部分だけを補修・交換できる場合があります。
メーカーの製品が廃番になっても、材料や金物を選び直し、大工や家具職人の手で修理できる可能性が残ります。
造作にすれば、必ず価格が安くなるわけではありません。また、すべての部品を永久に修理できるわけでもありません。
それでも、壊れたら製品ごと交換するのではなく、可能な範囲で直しながら長く使うことを考え、造作を推奨しています。
ビニールクロスを使わない理由
SKホームでは、現在の新築住宅の壁や天井にビニールクロスを使用していません。
オガファーザーなどの紙クロス、和紙クロス、塗装仕上げ、無垢板などを、場所やデザインに合わせて提案しています。
オガファーザーなどの塗装下地用クロスは、汚れたり、室内の雰囲気を変えたくなったりした場合に、上から塗り直すことができます。
無垢板も、傷んだ部分を補修したり、必要な範囲を交換したりすることができます。
最初から傷まない材料を探すのではなく、傷んだときに直せる材料を選ぶことを大切にしています。
長期優良住宅も、長く使うための土台
SKホームでは、現在の新築住宅について、認定長期優良住宅を標準としています。
長期優良住宅は、長期にわたり良好な状態で使用するための措置や、維持保全計画などについて基準を設け、所管行政庁の認定を受ける制度です。
ただ認定を取得することが目的ではありません。
断熱性、耐震性、耐久性、維持管理のしやすさを総合的に考え、将来まで住み続けられる家をつくるための一つの土台として位置付けています。
SKホームが考える高性能住宅
SKホームでは、現在の新築住宅に次の基準と方針を設けています。
- 断熱等級6以上
- 3地域ではUA値0.28W/㎡・K以下
- 秋田市などの4地域でも3地域と同じ断熱基準を最低ラインとする
- C値0.5㎠/㎡以下
- 一棟ごとの気密測定
- 許容応力度計算による耐震等級3
- 認定長期優良住宅
- 建物ごとの冷暖房計画
- 無垢床の標準採用
- 窯業系サイディングと複合フローリングを採用しない
- ビニールクロスを使用しない
- 直して使える造作や自然素材を積極的に提案する
これらは、一部のモデル住宅だけに採用する特別仕様ではありません。
SKホームが、秋田で長く快適に暮らすために必要だと考えている、現在の新築住宅の基準です。
数値を良くすることだけが、家づくりの目的ではありません。
冬に暖かく、夏に暑くなりすぎず、地震や雪に備え、少ないエネルギーで暮らせること。
故障した設備を無理なく交換でき、傷んだ場所を直しながら、長く住み続けられること。
そして、窓の向こうに広がる秋田の山や空、四季の変化を感じながら暮らせること。
私たちは、そのすべてを含めて「高性能住宅」だと考えています。
まとめ
「高断熱」「高気密」「暖かい家」という言葉だけでは、住宅会社の違いは分かりません。
住宅会社を選ぶときには、次の点を確認してみてください。
会社として守っている最低性能基準があるか。
一棟ごとに構造計算や気密測定を行っているか。
複数の施工実績で、実際の数値を公開しているか。
建物ごとに冷暖房を計画しているか。
建築時の価格だけでなく、将来の維持費まで考えているか。
傷んだときに、直して使い続けられる材料やつくりになっているか。
家は、完成した瞬間がゴールではありません。
そこでの暮らしが始まり、手を入れながら、家族とともに長い時間を過ごしていく場所です。
秋田の長い冬を暖かく過ごし、春、夏、秋の景色も楽しみながら、年月を重ねるほど愛着が深まる家を選んでいただきたいと思います。



