こんにちは、SKホーム佐々木です。
めっきり秋めいてきてだいぶ過ごしやすくなってきました。最近は天気が悪い日も多く、温度が下がっても湿度がまあまあ高く感じられます。エアコンを止めて夜間の冷気を取り込んで過ごしたいのですが、悩ましく感じらる今日この頃。
日本の気象風土は他国にない特徴があるので、日々お客様と情報交換しながら最善な提案やアドバイスを心がけたいと思います。
さて、昨日一昨日は今年最後の完成内覧会。施主様のご厚意によって開催させていただきました。初日の天気はあいにくの雨でしたが、2日目は午後からは暑いくらいの秋晴れ。2日間で沢山のご来場をいただき本当にありがとうございました。
今回は前回のフリー内覧会と違い、完全予約制での開催です。気軽に来れない分、ご予約いただいたお客様は家づくりを今まさに進めようとしてる方が多いです。わざわざ来ていただくのですから、実りあるお話や情報提供ができるよう心がけて頑張りました。
その中で、初日にお越しいただいたお客様との話で印象に残ったことがありました。子供部屋の話をしていた時のこと。お子様の人数や年齢を伺うと、子供部屋は近い将来1つ空き部屋になる可能性が非常に大きかったので、「子供部屋は1つ減らして検討してはいかがですか?」とお伝えしました。
お客様は一瞬怪訝な顔をされたので、何かまずいことでも言ってしまったかと思いました。すると「部屋を減らしたらと初めて提案されました」と少し驚いた表情で仰ってくださいました。
普段からお客様に「家づくりは今だけを考えて建てるのはやめましょう」と必ず伝えるようにしています。どうしても完成する家を想像してテンションが上がり、今の生活や見える部分のデザインにこだわってしまいがちです。
しかし冷静に考えれば、田舎の子育て期間は10年から長くても15年程度です。では、その家に何年住むのかと考えれば、最低でも50年前後は住むことになります。単純に考えても、子育て期間より自分たち夫婦が2人で住む期間の方が圧倒的に長い訳です。それなのに今だけを考えてしまうと、将来の使い勝手を考えず無駄な部屋を作ってしまいます。
田舎に実家がある方は思い出してみればわかると思いますが、私の実家も現在使われていない部屋が5部屋もあり、その他にも客間や書斎、3間続きの和室もあります。昔は家を大きく作ることが1つのステータスだった訳ですが、今では無用の長物。雪国では維持費や税金だけでなく、暖房費や除雪費用などただただお金が掛かるだけの無駄な存在です。
家づくりをする多くの方は、子供時代に6帖前後の大きさの部屋で過ごしてきたと思います。もしくは、遊びに行った友達の広い部屋をみて羨ましく思ってきたか。田舎の方は潜在的に広い部屋への憧れがあるんですね。なので、自分が家づくりをする立場になった時に、何も考えないと子供部屋を6帖で子供の数だけ計画してしまいます。
先のお客さんの話を伺えば、秋田県NO1会社の「このお客さんは属性が良いから、部屋を多く作らせて売り上げを上げよう」という魂胆が透けて見えます。
長期優良住宅の認定は取らず、断熱等級は全館空調でも等級5に第1種換気、耐震等級3の代わりに制震ダンパー、窯業系外壁、建材フロアー。省エネで暖かいと言われて導入したビルトイン型全館空調は月々の電気代が10万円オーバーが普通だとか。
そのお客さんに教えていただいたのですが、電気代の繰越制度をつかって翌月に繰り越している方が多いとか・・・。その家に住んでいる限り一生かかる経費なのに、最初から生活が破綻していて、家を建てても家族は幸せにならず、メーカーだけが幸せになっていってるんですね。
ただ、そのメーカーで建てた方は建築のプロではないと一概に庇う訳にもいかず、結局は自己責任です。
例えば、自動車を買うときにスポーツカーが欲しいと買って、燃費が悪いや税金が高いと文句を言っても、営業マンはそんなの知りませんと言ってお終いです。調べる気になれば、燃費だろうが税金だろうが任意保険だろうが、いくらでも自分で調べる事ができます。
営業マンは売るのが仕事だから、あなたに売ろうとして夢を与えるのは当然の仕事。それは住宅の営業マンにも同じことが言えます。
どの営業マンに聞いても「この設備はめちゃくちゃ電気代が掛かる」なんていう訳がありません。「寒い」は雪国では致命的なクレーム。電気代が掛かろうが巨大な設備を勧めるのは営業マンとして当然です。
ただそこに住む人にしてみれば、全館空調を入れても電気代が高くて使えないなら、局所暖房の方がまだマシです。いない部屋はスイッチを切ればいいわけですから。予算があるがために営業マンに踊らされて、高額な全館空調を使わず、新たに各部屋にエアコンをつける方もこれからは増えてくるでしょうね・・・。
何度も言いますが、秋田県の年間電気代の80%前後は給湯と暖房費です。エコキュートが今考えうる1番エコな給湯器だとするなら、まずは暖房を最優先に考えましょう。
暖房費はかなりの高精度でシミュレーションができます。秋田で家を建てる方は、最優先に暖房を考えましょう。それが家族の幸せのための1番の近道ですから。