6月に連続真夏日…

梅雨入りしたって言ってたけど、いやいや、暑すぎる!
現場はもう真夏モード突入で、自分も汗だく。
職人さんたちはもっと過酷な状況で作業してくれてるわけで、本当に頭が下がります。
マジで現場用のエアコンを導入しようか、最近は本気で考えてます。

さて今日は、夏の住まいについて、みんなにぜひ知ってほしいことを。

「断熱性能が高ければ、夏も快適なんでしょ?」って聞かれることがよくあります。
もちろん、断熱も大事です。でも、夏に本当に効くのは、設計力と日射遮蔽

特に秋田みたいな寒冷地だと、夏の冷房負荷を減らすには断熱材よりも窓の位置・サイズ・遮蔽の設計の方がずっと大事。


🪟 東西に大きな窓を付けた家から「暑い」って相談されても、正直どうにもならない…

「夜、寝苦しくて困ってます」みたいな相談を受けることがあるんだけど、
話を聞いてみると、東西に大きな窓が付いてて、庇もない、カーテンだけみたいな家だったりする。

そういうのって、もはや設計の段階で防ぐべき話で、完成してからじゃ根本的にはどうにもできない。
できてせいぜい「外付けシェードつけましょうか」「遮熱フィルム貼りますか」っていう応急処置レベル。


☀️ 実際どれくらいの熱が窓から入ってきてるのか?

じゃあ、数字で見るとどうなるのか?

たとえば、よくあるサイズの1.6m×2.0mの掃き出し窓。面積は約3.2㎡

真夏の晴れた日、南面に太陽がガンガン当たる午後だと、
ガラス1㎡あたり最大800W程度の太陽熱が入ってくるとされています。
これは国の資料や建築の基準でも普通に使われてる数値で、住宅設計でも目安になっているものです。

つまりこの窓1枚で、

  • 遮蔽なしなら 800W × 3.2㎡ = 約2560W

  • 室内カーテン(遮熱効果50%)でも 約1280W

  • 外付けシェード(遮熱効果85%)なら 約384W

同じ窓でも、どこで日射を止めるかで入ってくる熱が全然違う。
数字で見るとわかりやすいですよね。

ちなみに、最近のヘアドライヤーは約1,200W〜1,500Wが一般的。
つまり、ガラス1㎡に当たる800W/㎡って、まさにドライヤー1台分の熱がずーっと当たり続けているのと同じなんです。
1.6m×2.0mの窓(約3.2㎡)だと、その“ドライヤー”が2台分くらい(2.5kW)ずっと稼働し続けているようなもの。
室内カーテンだけでその熱を止めるのは、かなり無理がある。
というか、もうドライヤー2台がずっとONの状態って考えたら…そりゃ暑いですよね。


🪟 「高性能窓=夏も快適」は、実はちょっと違う

最近よく見かけるのが、補助金を使った窓リノベの案内。
もちろん悪いことじゃないし、ちゃんとした内容なら大歓迎なんですが、
「トリプルガラスにすれば全部解決!」みたいなノリは、ちょっと危ない。

高性能窓って、基本的には冬に効く。
でも、日射を遮る性能(η値)が低くない窓を東や西に入れちゃうと、夏はかえって暑くなる。

断熱はしてても、日射を遮ってなければ熱が入ってきて、それが逃げない。まさにサウナ状態。


✅ だから、夏の快適さは「窓の位置と遮蔽」で決まる

  • 冬は「逃がさない」ことが大事

  • 夏は「入れない」ことがもっと大事

カタログスペックや等級も大事だけど、設計の段階で「どこに」「どんな窓を」「どう配置するか」が快適さを大きく左右します。

「とりあえず大きな窓で景色を…」とか、
「南も東も西も開放的に…」っていうデザインは素敵だけど、
設計者がちゃんと日射のコントロールまで考えてなかったら、夏は地獄。


暑さって、体感だけじゃなくてエネルギー負荷にも直結する問題。
断熱だけじゃダメで、「設計と使い方」も含めて性能だと思ってます。

今回は数字も入れてちょっと真面目に書きましたが、
知ってさえいれば防げる暑さってあるんです。
だからこそ、家づくりの初期段階から「夏の過ごし方」をちゃんと話してほしい。


外は暑くても、家の中は気持ちよく。
そんな住まいを一緒に作っていけたらなと思ってます!

最後に涼しげな1枚…日影で釣りしてる我が家のウーパールーパー笑

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