耐震等級は工務店の知識の結晶

SKホームの佐々木です。

今日で東日本大震災から13年。
月日が経つのは早いですが、震災の日は今でも鮮明に覚えています。経験したことのない揺れ、電気のない数日間、TVに映る津波の映像は現実とは思えないものでした。
そして今年の元日に北陸地方を襲った能登半島地震。この地震ではドラレコの映像などに、建物が多数倒壊する模様が映されていました。

地震は自然災害ですが、それによって引き起こされる津波もまた同じ。
人々は自然災害からは逃げる事しかできません。

では地震による建物の倒壊は?

これについては人災と言わざるを得ません。

記憶に新しいところで2016年熊本地震
人々はそこから何を学んだのか。

震度7を観測史上初めて2回計測し、住宅の全壊が8,667棟、半壊が34,719棟、一部破損が163,500棟。
この中には現行の耐震基準(2000年に施行令改正)の住宅も多数含まれ、全壊した家屋も51棟あったと報告されています。

ここからは現在の話。
現行の耐震基準は住宅に何を求めているのか。
それは倒壊せず人命を守ることと明記されてます。
地震の揺れを受けたときに倒壊しなければ、その後は住み続けることが出来なくても問題ないよって事なんですね。

考えてみれば、今家を建てる人の多くは35年の住宅ローンを組む方が多いです。
それはほぼ生涯をかけてに近い期間、住宅ローンを払い続ける事。
それなのに、いつ来るかわからないと言う理由で耐震性を無視する人の多いこと。

特に雪国では、冬の積雪時に地震が起きれば屋根にのった雪が揺れの負担をさらに大きくします。
仮に人命が助かっても家が倒壊した場合、保険では50パーセントしか保証されません。
3000万円で建てれば1500万円しか保証されない。

その金額で倒壊家屋を解体し、また建て直すって考えたときに皆さんは困らないですか?
自分だったら路頭に迷います。

ここで建てる側からの話。

秋田県では許容応力度計算を実施している工務店がほぼないです。
一部では実施している設計事務所さんもあるのですが、他の工務店の計算とかはなかなか受けてくれません。
受けてくれたとしても図面の直しが多くなり、お客さんの希望の間取りが出来ないとの理由から発注側が諦めることが多いです。
これは理由が明確で、耐震等級3を取得するための勘所を押さえない図面を描いているから、いざ耐震ってなった時にそもそもから始まるんですね。
耐震等級3を取得することを学べば、耐震等級以外にも軸組構造がスッキリして費用が抑えられるなど知られてないメリットも多々あります。

それなのに分からない、面倒くさいを理由に
「耐震は意味がない」
「壁量が多いから安心」と、お客さんの利益を無視したことを平気で言うんですね。

耐震は目に見えないし、面倒くさい割に儲けれないし、工務店側はやらない理由が多数存在します。

でも、人は未来を知ることは出来なくても、過去から学ぶことは出来るはず。
地震に備えることは確率論で語ってはいけません。

ぜひ耐震を無視せず、いつかに備えて安心な家を建てていただければ。

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